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2005年7月8日(金) はれ <89日目>
出発地:北海道利尻富士町
ファミリーキャンプ場ゆ〜に
現在地:北海道利尻富士町
ファミリーキャンプ場ゆ〜に 
走行距離:25.7km ★計:11471.1km 出費:500円
温泉:500円 


北海道・昆布干し家族の裏側。


3時に起きていつ電話がかかってきてもいいように準備。空は微妙だ。晴れそうで、うーん曇りみたい。4時20分頃までゴソゴソしながら待ったのだけど、電話がなかったので今日はないのかなと判断。コンタクトを外して寝ようと思ったときに電話が鳴った。

「今日昆布干しするのでお願いしまーす」

おぉ、思いっきりフェイントだなぁ(;・∀・)。今日は「2本半」ということで、2番目の干し場に干すことなく1時間半ほどで終了。半本違うだけでこんなにも差が出るのだね。1本って一体どれくらいなんだろう。ご飯をモリモリ頂いて7時前にキャンプ場に戻った。

だいきくんときみあきさんが撤収中だったので様子を見ながらパチリ。

まだ未完成だけど・きみあき号 バイクでブイブイ言わせてこいよ〜!

フェリーターミナルまでだいきくんを乗せて2人とバイバイ。だいきくんはここでバイクを借りて2人で利尻島を周るそうだ。何かまた会える気がするよ。そのときは、そのときは、

あったかいところで、あったかいご飯食べようね(笑)。

キャンプ場に戻ると今日は出るお客さんが多くて大忙し。早くチェックアウトしてくれたのでおじちゃんと共にガンガン掃除をしていきます。大体おじちゃんがお布団直し担当・わたしが掃除機と拭き掃除担当であります。

おかしいね、花の水やりに始まり→炊事場掃除→トイレ掃除。わたしがやるのはここまでで、客室までは知らんと思っていたのに、いつの間にやら部屋に入って掃除機かけてますよね(;・∀・)。

まぁいいか。

とりあえずバンガローは掃除しとかなくっちゃ。9時過ぎにケイタイがないのに気がついて、ジムに取りに行くと1時間以上前に着信が1件。昆布干しのKさんからだ。もしかしてそっちのほうは(キャンプ場から5`ほど離れているのだが、キャンプ場が曇っていても昆布干しKさんのおうちの方は晴れていたり、天気が全然違ったりするのだ)雨だから、召集がかかったのか?!

「かおりちゃん?あの、今すぐ来れるんだったらちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど」

おじちゃんに訊くと、ほとんど今日入るところの掃除は終わっていたのでもう大丈夫とのこと。そしてKさんちに向かう。行くとおくさんが居て、昨日太陽が出たのが結局1時過ぎていて昆布が乾かなかったそうだ。その、昨日の昆布を干す作業を手伝って欲しいということだった。今日干した昆布もあるし、今日取れたウニの殻むきもあるそうで、人手が足りなくてテンテコマイらしい(でも、みんな全然焦ってはいない(笑))。

「見てみる?」と言ってくれたので、ウニの殻むきをちょっぴり見学。

わたしが奥さんに、「利尻のウニは、おいしい利尻昆布を食べているからウニの身もおいしいって訊いたんですけど、ウニってどこに口があるんですか?」なんておばかな質問をしたので、こんなわたしに見せてあげるがてら、このお手伝いにわたしを選んでくれたようだった。やったね!

こんな感じ 熟練のワザ

小さな小屋の中でおばちゃんたちがいとも簡単に身をスプーンのような「ヘラ」で取り出し、内臓とウニの身とに分けていた。塩水につけて、殻や黒い内臓がないように綺麗な身だけにするのだ。

すっごい手間がかかっているよね。ウニが高いのは手間代だと今日感じました。パックリ開けて奥さんが見せてくれたバフンウニ(林家ペー)の中には細かくなった昆布が。本当だ!!本当に昆布食べてるんだ!!すっごい。

ムラサキウニ(ツンツンのほうね)よりもバフンウニほうが高いのだ。まだバフンウニは食べたことないんだよね。

「かおりちゃんにお手伝いしてもらうから、その分取っとくからね」

えぇ、そりゃがんばります。

いつもの干し場のところにいるとだんなさんがいて、靴の上から履く大きな靴カバーみたいなものを手渡される。昆布の上にかけた網に靴がはまってずっこけないようにカバーをつけるのだ。まずは今日干した昆布をチェックするらしい。

え、チェック?!昆布って朝干して夕方前に回収して終わりじゃないの?!

「そうなんだよね、みんなそう思ってるんだよね(笑)。実際、ここに干しに来てる人たちもこの作業を知らない人がいるんだ〜」

だんなさんに教えてもらいチェックをスタート。

昆布の頭(付け根のほう)としっぽ(ピラピラのほう)が重なっていないか。

頭の方が当然分厚く、乾くのに時間がかかる上に、しっぽが重なると余計乾きにくくなる、くっついて回収するときに時間がかかるから。

ウミネコなどの鳥のフンが落ちてないか。

落下率が高いのです(汗)。まだ10時時点では昆布は半乾きくらいなのでタオル片手に白い物体を見つけたらフキフキしていきます。

あっ、ちなみに昆布の値段の高い部分は半分から頭までです。人間の身体で言えばお腹から頭までって感じ?

だんなさんとのんびりチェックしながらいろいろ教えてもらった。朝、昆布を干すときに「今日は3本だ」とか言っている「本」というのはロープの数で、

1本が100m。だんなさんの場合は約35cm間隔で昆布の種を5個つけているらしい(養殖昆布の人それぞれやり方があって違うみたいだ)。なので、おおよそロープ一本で1250〜1300本の昆布がくっついているとのこと。

ってことはだなぁ、3本だと、3750〜3900本の昆布を天気がいい日には干してるってことなんだ!それを約20人で作業するから一人約190本干してるってことだね!ほほぉ。いやぁ、来てよかった。普段じゃだんなさんは漁に出ているからなかなか話せないもんね。

それから作業小屋(乾燥室)のほうへ移動し、昨日の昆布を取り出して、だんなさんと奥さんにより乾いている昆布と乾いていない昆布との選別。一旦まとまった量の昆布を紐で縛るために(でないとバラついて運べないから)、それを解いてから昆布の間に手をつっこみ、2人のゴッドハンドにて調査が行われるのだ。手の感覚でもう一回乾かすか、合格なのかを決めていた。ん、こういうのって「職人」って感じで本当にすごいよね。

わたしはその昆布の束をひっぱりだしたり、ちらばった小さな折れた昆布たちを薪のように拾い集めたりしていた。おばあちゃんが食べ食べ、と勧めてくれるので、昆布を食べるとこれが超おいしいのだ。パリパリしていて、まるでお菓子みたい。食べなれたおばあちゃんでも、「これはおいしいね」って言っていたから、これは間違いない。

1時半頃に昨日の分の作業が終わり、お昼ごはんタイム。

バフンウニとアワビ!! ヤキ入れます

「漁師はいっつも食べてると思うでしょ。でも親戚が来てもうちはださないからね(笑)。やっぱりこれで収入得てるからめったに食べないね〜」

とおっしゃりながら出してくれたのはドドン!これでもかというバフンウニと、たまたま取れた?というアワビのお刺身。いいのでしょうか(涙)。

「もう、全部食べてよ、かおりちゃんの分だから」

お家の人は普通にご飯を食べていたのに、その横でこんな贅沢なものを(;・∀・)。

なんちゃって。こんなチャンスめったにありません。いや、もうないかも!!どんぶりいっぱいによそってくれたご飯に好きなだけ乗せていただきます。

・・・うまい(;∀;)。

これ以上の言葉は見つからないです。

しかも、手間隙けて取り出していた様子も見ていたので余計です。ありがたい食べ物です。幸せすぎて死んでしまいそうです。残ったウニはホイルに乗せて焼きウニにしてくれたのですが(写真右)、これがホクホクしてまた生とは全然違うんですね。前にバーベキューのときに頂いたムラサキウニの殻つき焼きウニよりもこっちのほうが断然ウマイ!(ムラサキウニもおいしかったのだけど、もしかして焼きすぎだったのかも?)こんなにウマイものなのかと、感激しましたね。ウニの素晴らしさを改めて感じた次第です。

ここのみんなはいつもならお昼ねタイムだそうなのだけど、今度はまた今日干した昨日の半乾き昆布の回収が待っているので出かけてしまった。あまり日に当てすぎると今度はパリバリに割れてしまうそうだ。昆布って難しいね。わたしだけ少し休憩をもらい、3時から今日干した昆布回収に加わる。

帰りに昆布干しに来ているおばあちゃんがホッケがいっぱいあるからと2匹くれた。

おお、ホッケってパックリ開いたのしか見たことないんだけど!

昆布回収に来ている奥様たちにいろいろ調理法を教えてもらい、フライにしたかったのだけど、油処理が無理なために普通に三枚におろして塩コショウでフライパンで焼くことに。

温泉に行ってから戦闘開始。

炊事場で、母親に教えてもらった記憶を手繰り寄せ、100均の切れない果物ナイフでどうにかこうにか3枚にした。何かちょっと教えてもらったやり方と違う気がするけどまぁいいや。魚をさばくの、2年ぶり?くらいだもん、焦る(汗)。広島から来たバンガローのお兄さんに「がんばって」って言われちゃったわよ(;∀;)。

ホッケちゃん・本来の姿 何とかさばく

テント前にて、ご飯を炊いてからフライパンでジュージュー。
お皿に乗せることもなく、片っ端から焼けたホクホクのを食べていく。うんまい!

うん、何でもやってみるって大切だ。できるかなって不安だったけど魚をもらってよかった。

ウロコだな

旅に出てから、空を見上げることが多い。

今日の空も、ナイス。


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