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2005年8月31日(水) はれ <144日目>
出発地:北海道のとある牧場(道東) 現在地:北海道のとある牧場(道東)  
走行距離:0km ★ 計:15709.8km 出費:0円


北海道・牧場生活3日目。



おはようございます。

今日も昨日と同じように4時半過ぎに起き、お手伝いです。しばらく搾乳していると、だんなさんがやって来てこう言ってくれました。

「かおりちゃん、タンチョウがそこの畑に来てるよ!見に行ってきたら」

おぉ!何ですって!搾乳を抜けさせてもらい、裏の牧草畑に行くと50mばかり離れたところに2羽いるではありませんか。

・・・しまった。一眼レフ部屋においてきた。デジカメじゃぁ遠すぎると思いダッシュでカメラを取りに帰った。

は、いいのだが、戻るとタンチョウが居ない。うそん。

「もうちょっと奥の畑にいると思うよ」

とだんなさんが教えてくれたのでズカズカと畑を進んで行った。おぉ、いましたいました!ファインダーを覗くと若干遠めではあったけれど、何とかパチリ。やったね。

デジカメでも、と思ったとき、彼らは大きな空へと羽ばたいて行きました。

カラスのバカ!

搾乳の後、またエサ押しをしたり、うんこ落としをしたりして牛舎内を散策していると、前にはなかったアイテムを2つばかり発見していたので撮影をすることにした。

アイテムその@
ハッピーカウ
モデル:モモコ

一つ目は「ハッピーカウ」、という何ともステキなネーミングの機械である。おお、ちょうどモモちゃんがやっているではないか!みんなエサに夢中なのに。ももちゃん、こんなところでのんびりしていていいのか?巨大なブラシで牛の背中が当たるとグルングルン回ってかゆいところを掻いてくれるみたい。機械がついたころには我も我もと、列をなしていたそうだ(笑)。

アイテムそのA
カラスの干物(爆)

何だか開いたものがぶら下がっているなぁ、と思ったら何とカラス。

これはSさんが死んだカラスを回収してきて見事に広げ、吊るしたそうだ(すげぇ!)。カラスの公害?がすごいのだが。例えば、牛のエサを食べに来たハトをカラスが食い殺して死骸が散乱していたり、後は牛にもちょっかいを出すということがどんどんエスカレートしてきたのだ。

カラスが大きな牛にちょっかいなんてと思うかもしれないが、ドテッと横たわっている牛は大らかと言うか鈍感というか(爆)、カラスがお腹をつついて血がにじんでいたりしても怒りもしないし、好きにすれば?状態なのである。他に、牛の体のどこかに傷があったりして少しでも血が出ていたりするところがあると、すぐにカラスがつつきに来るのである。

そのカラスへの見せしめとして、カラスの死骸を吊り下げたところ、カラスがほとんど寄ってこなくなったということだ。全入り口に吊るしているわけではなく、産んだばかりの牛たちのグループの近くに2箇所。

何故かと言うと、産んだばかりの牛はやっぱりちょっとお疲れで寝ていることが多いのをカラスはちゃんと知っていて、その牛たちを狙って来るからだ。カラスって頭良すぎ。

ご飯を頂き、少し眠ってから少々お散歩へ。

それにしても暑い。何だか普通に愛媛に居る8月の終わりなんですけど。北海道ってもうちょっと涼しいと思っていたのになぁ。

クマ、出ました 今日のボビーくん

クマが今年出没したというところへちょっと行ってみた。

・・・看板があって、ただそれだけなんだけど。

それから牛舎へ戻り、ボビーくんとしばし戯れる。推定45kgそうなのだが、やっぱりオスだけあって頭突きがすごい!油断するとすぐにマタの間にもぐりこんで来て突付こうとするからマイッチングです。でも、手を差し出すとお乳と間違えてチューチューするその姿はやっぱり赤ちゃん。めちゃくちゃかわいいです(惚)。

今でこそボビーくんは45kgと小柄なのだが、お肉になるころには1トンほどになるとのこと(怖)。ちなみに肉牛は生後約1年半ほどでお肉になるので割と短命なのです。

ボビーはかわいいけれど、ナデナデしながらやっぱりわたしは肉の中では「牛」が一番好きだと思うのである。ボビーすまぬ!人間とは残酷な生き物だと思うのだけど、仕方ない。だから感謝して頂きます。

夕方搾乳しているときには、近くの畑にシカの親子が現れました。今日は2頭だったけど、多いときには10頭ほど群れを作ってやってくるそうだ。

シカの親子

5年前のわたしは本当にいろんなことが複雑にありすぎて北海道を去り、他の仕事に就いてしまったけれど、本当はこの仕事や環境がとても好きだった。ヘルパー(農協に就職して、いろんな牧場の人のところに行って酪農のお手伝いをする仕事)をしたかったのだ。

こういう毎日牛の様子を見て、発見の多い仕事。そう、生き物相手にどんどん新しい発見のある仕事がわたしは好きなのだ。牧場とか昆布干しのような仕事が好きなのだ。実際は仕事をしてお金を得て、それで自分の好きなことをしてきた。そんな生き方をしてきて、それも悪くないと思っている。でも、仕事がもっと好きなものであったらまた違っていたのかな。

納得して帰ったけれど、あのときもしも、いろんなことがもっと単純であったなら、わたしはきっと北海道で働いていたのだろうと思ったりする。「もしも」だなんて、言っても仕方がないけれど、もし、あのまま北海道にいたなら、わたしはどうなっていたのだろうと考えたりするのである。


画像の説明がのものはクリックすると大きくなるか、違う画像が出ます。


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