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2005年5月14日(土) はれ <34日目>
出発地:鳥取県 大山 下山駐車場 現在地:鳥取県 鳥取砂丘無料駐車場 
走行距離:131.6km ★ 計:5850.7km 出費:410円 
★うちわけ★
駐車場代:410円


鳥取県・大山に登る。

あれから人気のなさに恐れをなし、少し行ったところの下山駐車場へと移動した。

そこには、なにわナンバーの人と、ミラの車で来ていた2人の男女が。ミラの人は車の隣にテントを張っていた。すごく冷えたけど大丈夫だったかな。わたしは旅の当初のあの重装備(寝袋2枚+毛布+靴下2枚+ズボン2枚+上着3枚)に逆戻りした。

朝6時半に目が覚めると車が10台ほどに増えていたけど、わたし以外は誰もいない様子。まぁ、往復5時間弱ということだし、8時までに出発できたらいっか。。食欲があまりなく、でも全く食べないのも力が出ないだろうと思い、無理やり昨日の残りご飯を胃袋に押し込んでおく。少し休憩をしてから7時半に頂上へ向けてスタート。

いい感じの登山口

大山頂上(1709m)まで約3kmの道のり。標高差は約900m。傾斜がややキツめか。

緑いっぱいに包まれてものすごく気持ちがいいのだけど、ひたすらわたしの苦手な階段が続く。段差が高くて脚の短いわたしには辛い道のりだ。

やっぱり今日は体調がよくないらしい。途中で何度もゲ〇りそうになりながらも、何とか堪え、きっちり15分に1回休憩を取りながら、進んでいく。ペースは遅いが仕方ない。無理は禁物。いや、今日は下りた方がいいのかも。何度も迷いながら歩いていくと3合目にさしかかった。

上を見上げて考える こんな感じがひたすら続く

まだ3合目だというのに1時間もかかってしまう。どうしよう。

「こんにちは」

声をかけられたときわたしは、倒れた大きな木を見ていた。

ねこそぎ

「去年の秋の台風でやられちゃったんですよ、その木」

話しかけてくれたのは、境港に住んでいて週末に車で1時間かけてやってきては大山に登るという男性だった。いろいろ話しているうちに

「それでは今日は上までご一緒しましょう」という流れに。

歩くのにはそれぞれの人にリズムがある。人によって体力も違えば、立ち止まって見たいものだって違うから。気心知れた人とならいいけれど、初めて出会った人だ。でも流れで断れなくて、何となく一緒に進む事になってしまった。

しかし、どういうわけか50歳のおじさんとペースがほぼ一緒。

休憩を取りましょうか、と言ってくれるのだけど、実にいいタイミングなのである(3合目までのあの休憩の多さはさすがになかったけど)。わたしがおじさんに追いついたのだけど、もしかしたらわたしのノロノロペースに合わせてくれたのかもしれない。
 
でもまぁとにかく、これは神様の「おじさんと一緒にがんばれ」という激励なのだと思い、登ると決めたからには弱音を吐かず頂上を目指すことにした。

「あの風車みたいなのが立ってるところが頂上ですからね」

その言葉に励まされ、何とか歩いていく。さすがにおじさんは何度も大山に登っているだけあって無料駐車場の情報を教えてくれたり(もう少し早かったら(笑))常連の方ともかなりお知り合い。

「あの人はね、年間200日くらい明け方と同時にこの山に登ってるよ」

・・・ええ!

「あの人がね、9合目付近で熊を目撃した人だよ」

・・・おお!

「あの人はね、一日に2〜4回頂上まで登ってるよ」

・・・はい?!

訊けば山の調査をするのが仕事だそうで、体力づくりのために山に登っているそうだ。それにしてもわたしなんてたった1回登るだけでひぃひぃ言ってるのに、一日に何往復もするって?世の中にはいろんな方がいるものである。

さすがに頂上付近は木の背が低くなり、直接太陽が当たるのでかなり暑くなってきた(汗)。体が弱っているときに誰かがいてくれるというのは実に心強いことなんだと。ありがとう、おじさん。一人だったらへこたれていたかもしれないよ、わたし。

6合目より もうすぐ頂上
あーいい写真だけど
許可もらってないから小さめ

最後はキャラボクという木に囲まれた木の道を歩いていく。あぁ、最後はこんなのでよかった。ホント、らくちん(笑)。

風で草が丸くなったそうです、もっこり 目指していたもの

そして、ようやく3時間かかって大山(弥山)頂上へ到達。やったー!

大山頂上到達 景色がいい

お弁当を持っていってたものの(昨日作ったスパゲッティをタッパーに詰めたんだけど、登山でスパもねぇ)、食欲がないので食べないでいた。

お弁当持っているけど景色でお腹いっぱいだって言っているのに、おじさんが食べろ食べろとおにぎりとポカリを勧めてくれた(笑)。じゃ、1個いただきます。あ、梅干が入ってる。何だか胃に効く感じ?!(謎)

少し休憩を取ってから、こんな道もあるんですよ、とおじさんが登ってきた道とは違うところを教えてくれた。車で走っていてもそうなのだけど、自分が辿った道をまた戻るというのは何とも空しかったりする。なので、案内してもらい別のコースから帰ることにした。

道なき道?!なかなか急斜面

知ってる人は通るけど、ほとんどの人は上がってきた道を下るからね、とおじさんが言う通り最後まで誰にも会わなかった。

最初はかなりの石ころ道+急斜面で今日は特に脚に力が入らないわたしにはかなりキツくて、ちょっぴり後悔もしたけれど、途中道を間違えておじさんとはいつくばって急斜面を登ったり(笑)、急なところではおじさんが自然と手を取ってくれてやさしさを感じたり、少し早い花の息吹を感じたり、ひさしぶりにスッポン(普通はイタドリと呼ぶのか?)を見つけておじさんとかじってみたり、わらびを見つけておじさんときゃぁきゃぁ言いながらわらび採りをしたり・・・小さい頃にした探検ごっこみたく、本当に楽しかった。

何の花でしょ、たけのこみたい すっぽん、ひさしぶりに食べた わらび大収穫

出雲そばを食べてないというと「もうここは出雲じゃないけど、食べていったらいいよ」と言って食堂で大山そばをご馳走してくれた。最後まで、ありがとうございました。

いただきます

そこでお礼を言ってお別れ。

お寺にまだ行ってないというと道を教えてくれてお寺の前まで行ったのだけど、どうしても脚がだるくて、寺の前の階段を登ることができず。

・・・もう無理だ。

フラフラしながら駐車場に戻ると頭がガンガンしてきた。冷えタオルで頭を冷やすけどいまいち。1時間ほど車で休憩をしてから、もう今日は熱があろうとお風呂に入りたかったので、R9を目指して走り始める。早く着きたいからアクセルにも力が入るわけで。

みんなの流れに乗って高速並みに走り、しっかり道の駅・北条公園以外はハンコもゲット。

東郷池にある温泉博士に載ってる水明荘でお風呂に入らせてもらい→近くの道の駅・はわいに泊まることにしよう。

525円の無料温泉を堪能し、浴槽からは赤い夕日が見え、頭の中では太陽にほえろのテーマソングが流れる。いい湯だ・・・上がってから、髪を珍しく乾かしたもののガタガタ身体が震えてくる始末。よくないな。早く寝床に着かなくちゃ。

ところが行けども行けども道の駅・はわいが見つからない。

どうやらR9ではなくてR9の自動車専用道路の方にあるみたいである。東郷池のお風呂にこだわらなければあんなにいい道の駅が3つもあったのに・・・もう引き返す気力もなくひたすらR9を走る。道の駅でなくともトイレ付のパーキングエリアもいっぱいあったのに探しているときに限って見つからない。

ついてないなぁ。

ツイテナイ?!

いやいや、今日はおじさんに出会えてちゃんと頂上まで行けて、ものすごく天気がよくてラッキーだったじゃん。しかも、カメラのことを「キャメラ」っていうおもしろいおじさんだったよ。

ええい、行け、行け。砂丘まで走れ。

体にムチ打って、ビュンビュン飛ばし8時過ぎに鳥取砂丘に到着。無料のキャンプ場があった、と思ったけれど暗すぎて入り口が全く見えない。青い看板があるはずなのに。仕方ない、無料駐車場でいいや。有料駐車場が夜の間は開放されてるみたいでトイレもそこにあるし。

あぁ、着いた。

鳥取砂丘が目的地ではなくて、自分がよしここだ、と決めれた寝床でなければ安心感はない。そうしてようやく到着なのである。何だかほっとして涙でたとです。

明日からは前にお世話になった職場→むっくん家におじゃまするのでゆっくり眠れそう。起きたら体調がよくなっていますように。

おやすみなさい。


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