北海道・礼文島を歩く#4、礼文岳リベンジ。おばちゃんにばったり。
眠れない〜!
何と言う強風だろうか。バタバタうるさくて眠れない。時計は4時を指している。不安になって外に出てテントの様子を伺う。大丈夫そうだけど・・・しかし、もっと固定しなくちゃだめだね。でもペグが足りんよ(;・∀・)。と言うわけで手の施しようもなくテントの中に引き戻ったものの一向に眠れないので、掲示板のお返事を書きつつ、ビールをシュポッ。
朝の4時から飲んでます、っていうか身体は疲れていて寝たがっているのに寝れないもどかしさ。しばらくしてジムの中で寝ればよかったと気がつく。ああ、もう遅い。鳥がピーチクパーチク言ってるよ。
というわけで起きたのは10時前。はっきりいって寝てません。本当は礼文空港の先の金田ノ岬のほうまで歩くつもりだったけど、絶対無理。九種湖の展望台に登って青い海を見ながら考える。4人のおじさま、おばさまたちがやってきたのでしばし会話していると、何だか歩きたくなってきたので、今日は礼文岳のリベンジをすることにした。これだけ晴れているし、大丈夫だろう。
|
|
鉛筆1ダース−2 |
青い海 |
きゅうりを2本ボリボリ食べてから、車に乗って出かけようとすると管理人のおばちゃんに呼び止められる。そこには2人のご夫婦がいて民宿のお手伝いさんを探しているそうでわたしに声をかけてくださったのだ。忙しいときには1万円出す、とまで言ってくださったのだが、お金ではないんだよね。まぁそりゃたくさんお金をもらえるのは嬉しいけど、お金に困っているわけでもないし、わたしがやりたいのはあくまでも「こんぶ干し」であって、民宿のお仕事ではないのだ。他にも売店の売り子さんとか声をかけてくださるのだけど・・・
丁重にお断りして、天気のいい中ジムを運転。ひゃ〜気持ちいい。暑くもなく寒くもない、最高の天気だね。絶対晴れててね、と思いながらスタート。途中、旭川から来られて昨日利尻に登られたご夫婦に会う。
「若いのに、一人でえらいね、えらいね」と何度も言われる。
いえ。わたしなんてえらくもなんともありません!
しっかり働き続けて、定年後にちゃんと楽しみを見つけて人生を楽しんでいる。しかもご夫婦2人で。こんな素晴らしいことって他にあるんでしょうか。自分の親では絶対に有り得ないので見ていて本当に羨ましい。こんなふうに過ごせていけたらどんなに幸せだろうと思います。
それからラスト800mほどから徐々に視界が。もしかして、と思ったら、やっぱりそうでした。ガスは前回よりはましだったけど、風がやばいくらいにひどい(;∀;)。気抜いたらまじで吹っ飛びます!!リベンジどころか完全にノックアウト・・・もう、参りました。がっくし(凹)。
|
|
とりあえず礼文岳頂上到達 |
ずっと居て寒くないですか |
お腹空いたので豆パンだけ急いで食べて撤収。足取りも重いです。はぁ。
それから喉が渇いたのでセイコーマートに買い物に行こうと思ったら、香深井手前で、昨日桃岩の辺りで会った高知のおばちゃんがテクテク歩いているではありませんか!
「おばちゃん!!」
声をかけると、今日は林道を歩いたのだけど、滝に行くには道が危ないよと他の人に言われたので行かなかったそうだ。すると、早く戻りすぎてバスがあと1時間待たないと来ないので、船泊まで歩こうと思った、と言うではないか。え?おばちゃん、かなり距離あるよ?今からコンビニ行ってジュース買うけど、それから向かうのでよければわたしの車に乗ったらいいよ、歩きたいなら別だけど。
と言うと、おばちゃんは本当にありがたい、と言ってジムに乗ってくれた。初めての旅人同乗者。かなり嬉しい。
どうやらおばちゃんはスコトン岬の民宿に泊まるらしいのだが、そこの人が船泊まで電話をすればお迎えに来てくれることになっているそうだ。だから船泊を目指していたらしい。明日もう高知に向かって帰るそうなのだが、澄海岬にも行ってないそうでそれなら行こうよ、とドライブをすることにした。わたしも8時間コースで見たけどガスっていたからなぁ。
今日行くと、全然綺麗に見えた。おばちゃん、やったね!綺麗だねぇ、と強風にあおられながら2人ため息。乗せてくれてなかったら、わたし一人ではここには来てなかっただろうからとおばちゃんに何度もお礼を言われる。お礼にうに丼ごちそうするから、食べろとか(笑)。でも、そんなつもりじゃなくって、わたしだって今までたくさんの人にたくさん親切をもらってきた。わたしも、今日はしんどかったから澄海岬とスコトン岬にドライブしようかなって思っていた、だから次いで。だから気にしないで。
|
澄海岬 |
スコトン岬では、一眼レフにておばちゃんと写真撮り合い。2人集合写真も撮れた。ノッてくれておばちゃんありがと。今日はトド島も見えたね、ラッキーだよ。
「主人は旅好きで、子供が小さかったときにはテントを持ってよく出かけていた。でも、子供がある日いい旅館に泊まらせてくれない、テントのような貧乏なのはイヤだと言い出した。それからもう家族では行かなくなって、今でも子供にはそのことで嫌味を言われる。主人も子供が離れて定年になったら前みたいに出かけるようになるかと思ったのに、全然行きたがらない。だから一人出来た。実の娘より、あなたのほうが優しくしてくれた。みんなわたしが旅に出ることに反対してたけどやっぱり来てよかった。女の子なんだから、これからも本当に気をつけて・・・」
絶対いらない、と言い張ったのに、おばちゃんはガンと譲らず、本当にどれだけ助かったかわからないから、とバス代よりも恐らく多いお金を置いていった。おばちゃんが握り締めて少しくしゃくしゃになったお札。このお金をどう使えたりするだろう。
おばちゃんと別れた後、しばらくスコトン岬で一人風を浴びる。名前も住所も訊かなかった。おばちゃんの住所、訊けばよかったなぁ。そう思うのは、わたしにとってすごく珍しいことだったりする。
|
|
|
おばちゃん、ありがと☆ |
トド島が見えます |
最北限・再び到達 |
運転しながら何だかナミダが出てきた。おばちゃんに出会えて本当によかった。ありがとう。
銭湯に行き、汗を流す。そこで、澄海岬へ行くときに道を訊いた男性の奥さんと遭遇。本当に島は小さいです(笑)。わたしは知らないのに、向こうは「愛媛ナンバーのジムニーでしょ?よくがんばってるね!」と声をかけてくださることも何度かありました☆お風呂でいろんな話で盛り上がり、今日は同じキャンプ場みたいだけど、どうもテントの位置が離れているっぽいなぁ。利尻から来られたそうでいろいろ情報を得る。
帰るとさらに風は強まり、位置が悪くモロにテントが風を受けている。いいのか、これ?
ちょっとずらそうかな、と思ったのが大間違いでめちゃくちゃ手こずる。風が緩んだ一瞬のスキをついて徐々に移動。フライシートだけになったときに、近くでオートキャンプをされていたご夫婦がお食事中だというのに手伝ってくれた。ありがとうございました。本当に助かりました(ぺこり)。
というか、しっかり設営してたらいいんだけどね。軟弱なんだな。まさかこんなに風強いだなんて。あーまじでテント壊れそうなんだけど、大丈夫なのか?ドキドキしてまた今日も眠れそうにない。
テント騒動でかなり時間がかかり、もうどんべえでいいや、と思ってカップラーメンをズルズル。しかし足りず結局スパゲッティを作る。食べすぎですね。へへっ。
また今日もビールを飲んでおやすみ
・・・できるのか?!あぁ、熟睡したい(泣)。テントを置いてジムで寝るのも不安だもんね。朝見たらテントがなさそうだし。
本日歩き、9kmほど。
画像の説明が青いところは、クリックすると大きくなります。
|