北海道・礼文島を歩く#5、九種湖から金田ノ岬、桃岩から知床。
一昨日ほどではなかったものの、依然風が強く、こりゃこのままだとテントが潰れるのは時間の問題だと思い、朝になって管理人のおじちゃんに相談。「まさかペグ売ってないよね?」
「お〜置いてるぞ、何本欲しいんだ?」
「うそ!あ、ほんとだ!!あるじゃん(何回も受付に来てたくせに気がつかなかった)。5本くらいね〜」
プラスチックの1本150円のペグを手に取ったとき、おじちゃんが、「ほら、これ持ってけ」と、立派なペグを5本くれた。うっそん、いいの?
「連泊のお客さんだからな(笑)」と言ってくれた。もっと早くに相談すればよかった。ありがとう、おじちゃん!そそくさとテントに戻り、若干位置を直してテントの補強。よし、これでもう大丈夫のはず。そしてさらに3泊延長です。
今日は礼文島に来て、一番というくらいいい天気◎。だって、キャンプ場から利尻富士がぽっこり見えるくらいだからね。よっしゃ、こんな日にまだ行ってない金田ノ岬に行きましょう!
キャンプ場からだと岬までは約4キロ、岬から時計回りに幌泊→高山→キャンプ場と約12.5キロほど歩きます。船泊の商店街?を歩いたのだけど、意外とお店あるんだね(失礼!)。パンやさんで、ピザパンと今ハマっている豆パンを買ってお散歩。
歩きって本当にすごくいいなと改めて感じた今日一日でした。
縁側に座ってひなたぼっこしているおばあちゃんとお話ができたり、魚を干しているおじちゃんと会話をしたり。車だとすぐに走れてしまう距離をせっせと歩くそのギャップがおもしろいと感じていたのだけど、またもっと別にそこに居る人に近づける良さが歩きにはあるんだなぁと感じました。
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おじちゃん |
そしてタラちゃんを頂く |
おじちゃんが、食べてみるか?!と干したマダラをくれました。硬いので水に戻して煮付けて食べるそうなのだけど、今わたしが食べれるようにトンカチでほぐしてくれた。なかなかの高級食材とのこと。おじちゃん、ありがとう(;∀;)。ビールがあれば(爆)。ちびりちびり食べながら、辿り着いた金田ノ岬は灯台があるものの、そこへは礼文空港の道から行くらしく登れなかった。
「アザラシがプカプカしてるのが見えるよ」
そこのお兄さんが教えてくれた。おぉ、本当だ。でも写真を撮るには少し遠すぎた。堤防に腰をかけてタラちゃんを食べながら青い海に住むアザラシウォッチング。しばらくぼーっと過ごす。
ふと我に返ったとき、わたしってしあわせだと気がついた。
本当に幸せだと感じた。もうちょっとこの気持ちを伝えられたらどんなにいいだろうと思うのだけど、語彙力のないわたしには無理な話。
腰をあげて堤防の上をゆっくり歩いていく。利尻富士がはっきりくっきり見える。綺麗だね。今日はKさんご夫婦が登っているはずだ。今どの辺なのかなぁと思ったりする。
散らばったウニの殻。誰もいないので蹴っ飛ばしながら進む。2つほど種類があってツンツンしているのと(ムラサキウニ)、林家ペーのようなの(バフンウニ)があったのだけどペーのほうが蹴っても形が崩れず丈夫そうだ。
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一匹カメラ目線(笑) |
登るぞ〜! |
おばちゃんたちと話をしながら、キャンプ場に着いたのがお昼過ぎ。
もったいない!こんないい天気、ないよ、きっと。と言うわけで、ジムにて出動。
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トド島展望台より |
それから桃岩のほうへ行き、岩シリーズの写真をパチリ。前は天気が悪かったからね。
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地蔵岩
(今は落石のため立ち入り禁止) |
桃岩
でーん!! |
猫岩、にゃー |
歩くなら今日だ!と思い、少々時間は遅かったけれど、桃岩展望台〜知床までの往復9kmほどを歩くことにした。この間咲いていたクロユリはすっかりしぼんでいた。ちょっぴり悲しい。
知床には赤と白の灯台があって、あの近くに行きたいと道を彷徨っていたら、クラウンに乗ったダンディなおじさまが声をかけてくれた。道を教えてくれたのに、ちょっと行った先で車を止めて待ってくれていた。そこの小学校が廃校になったお話、おじさまの若い頃のお話、出会った旅人の話・・・いろんなお話をしてくれた。農作物の様子を見に行く途中だったらしいのに、わたしのために時間、本当にありがとうございました。うれしかったなぁ。
でも、おじさまも「行けるかなぁ、最近あんまり人が通ってないから」と言っていた通り、途中までは頑張ったものの草ボウボウで断念。ボウボウゾーンが長すぎました(凹)。
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と言うわけでここでピース |
テクテク歩いて桃岩灯台まで戻ると後少しというところで、太陽がお疲れ様!をしそうだったのでしばらく待つことに。静かでいいなぁ、と思っていたら突如現れたカメラ・三脚を手にした中高年軍団。わたしは周りを取り囲まれ居心地が悪い。
・・・帰ろっかなぁ。
階段を下っていると一人のとても品の良さそうなおばあちゃんがインスタントカメラを片手に座っていた。杖を持っていたのでどうやらみんなとは一緒には足が悪くて展望台まで上がれなかったらしい。わたしを見るとものすごく驚いた顔をして、
「もう帰っちゃうの?落日まだでしょう?」と声をかけてくれた。
「人が増えちゃったんで。静かに見たかったんです」
そう答えたものの、何だかすごくもったいない気がした。そして静かなところで足を止めてみた。おばあちゃんありがとう。
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ほんのりピンク |
おばあちゃんに感謝 |
お風呂に行きたかったけど、もう帰ったら8時を過ぎていてひどく疲れを感じた。もちろん心地よい疲れです。ご飯もまだ食べてなくて、作って食べるといつの間にかぐっすり眠ってしまったようだった。
本日歩き、21kmほど。
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