北海道・利尻富士に登る。
8時に寝て3時に起きる予定だったのだけど、寝るのが30分遅くなったので起きるのも30分遅くなり、3時半起床。テントを開けてみるとそこには朝焼けに染まった空が広がっていました。この空だけでも感動したけれど、きっと今日はすごい一日になると予感させる空の赤さでした。
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すっげぇ |
昨日作ったおにぎりと、おばあちゃんがくれたフキをぼりぼり食べる。まだ頭は寝ぼけているけれどおばあちゃんのフキはおいしいと感じるから大丈夫。ジムで3合目のキャンプ場まで上がり、登山届けを出して4:45に出発です。
利尻富士はここの3合目から上には一般的に言うトイレというものがなくて、簡易トイレを利用して、それを各自持ち帰るようになるのです。昨日入手したかったのだけどなかったので本日ゲット。
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こんな中にある |
簡易トイレです |
さらに用意しておかないといけないのが水。3合目に日本百名水(甘露泉水)の湧き水があり、ここより先には水場がないので補給しておかなくてはならないのだ。団体のおじちゃんが居たので汲むのに時間がかかったけれど、2リットルほどの水を確保。登り6時間、下り4時間と言われている利尻富士なのでいつもの倍以上のお水を持って行くことにします。
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冷たくて気持ちいいです☆ |
・・・重いけどね(;・∀・)。カッパ、ザックカバー、お弁当。とにかくリュックが今日はパンパンです。
少し先のところにかなりの団体さんが居て、まだ休憩を取っていたのでよかったです。水を汲むのに時間がかかって、名水のところを出たのが5時過ぎ。元気に歩いていきましょう。
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ほほぅ〜 |
こんな道が続きます |
大体10時間かかると言われている利尻山。3合目から少し歩いたところより約6kmになります。思っていたより序盤はスイスイ登れ、あっと言う間に6合目。少し広い見晴台があって、6時の今日の天気は最高です。
見上げたらすっごい雲がきれいです。
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これもすき^▽^ |
あれもすき^▽^ |
さぁ、行くぞ!・・・と思ったら近くにありました、簡易トイレ。聞いてもいまいちピンと来ないので覗いて見ることにします。
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外 |
ジャーン |
ポットン部分はネットになっていて、便座〜このネットにかけて簡易トイレをセットし(いわば便座型のおむつ?)用を足すようであります。試したかったのだけど、まだこのときは必要なかったので上で挑戦することに。
なかなか花がないなぁ、と思っていたらありましたありました。花のパンフレットを持ってないのでちょっと名前がわからないのですが、白と濃いピンクでとてもかわいい花です。
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プリティ
(ウコンウツギかな?)
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まつぼっくりがあったとさ♪ |
個人的には、7〜8合目が最も長く感じました。一瞬8合目見落としたか、とまで思ったくらいですから(汗)。でも8合目からの景色、利尻富士がもう手に届くところまで来たんだと思わせてくれるほどに側にあってすごくよかったです。
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いくど〜! |
もうちょっとだぞ☆8合目あたり |
そして9合目まで本当にラクにやってきました。そこで時計を見ると何とまだ8時になっていないではないか!結構写真とか撮りながら来たのになぁ。出発したのが4:45。3時間ちょっとで9合目まで来たことになる。普段時間なんてほとんど気にしたりしない。でも、礼文でたくさん歩いていて標準時間は越えたいと思っていた。
登り5時間を目標にしていたけど、もしかして4時間切れるんじゃない?!
そんなことが頭をよぎる。いい感じじゃないの、ちょっとわたし。トイレでもたついたものの休憩もしっかりとって8時過ぎに9合目を出た。
「9合目ここからが正念場」と書かれた看板。この山は最後の最後が一番大変なのだ。でも全力で行くぞ。絶対4時間切るぞ。そう心に決めた。
しかしだ。
この9合目から頂上までは実にまいっちんぐマチコ先生な場所が多い。
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マイッチングその@
岩地獄 |
マイッチングそのA
腕力地獄 |
マイッチングそのB
ずっこけ滑り地獄 |
くそぅ、思ったように進まない。あと少しだから頑張れ!頑張れ!頑張れ!自分に何回も言い聞かせた。仕事をしていない、節約しながらだと言っても道楽の旅をしているわたし。がんばる、だなんて言葉、仕事を毎日している人が使える言葉であって今のわたしなんかが使うべき言葉じゃないと思っていた。キツイけれど、山登りだって自分が好きでやっていること。そんなことに頑張れ?何か違うんじゃない?ずっと思っていたから、一度も使わなかった。でも今日は使う。
「がんばれ!」
絶対あの辺りだ。そう思ったところへ現れたおばちゃん2人。抜かせてくれそうで、いざ抜こうとしたら阻まれる。あぁ、お願い。
しばらくすると「お先にどうぞ」と言ってくれ、「ありがとうございます」と言って先に進ませてもらった。
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頂上よりろうそく岩、綺麗です! |
利尻山、到達! |
やったぞ〜!!やったぞ〜!!
頂上に着いたとき、涙が出そうになった。時計を見たら8:37だった。
出発して3時間52分。
何か小さなことでも、自分が目標を決めてそれに対して一生懸命努力すること。それが「がんばる」なんだと思った。だから今日のわたしは「がんばった」と自分に言ってあげよう。よく4時間を切りました。よく、こだわって最後を歩けました。妥協していたらきっと後悔していたと思う。本当によかった。
おばちゃんが頂上で利尻昆布をくれた。
「口の中に入れているといいよ」
磯のかおりが口の中に広がる。風も強くみんな着いたら何分もしないうちに下っていくのだけど、わたしは頂上に40分ほど座っていた。サハリンまでは見えないけれど、稚内や礼文島がよく見える。うれしくてうれしくて仕方がなかった。
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頂上の花@
(ハクサンイチゲ・・・かな?)
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A |
今日もいっぱい、一人でえらいね、すごいねと言われたがちっともそうは思わない。すごくてえらいのはおばちゃんたちが、あの険しい山を例えゆっくりでも登り続けて頂上を目指していること。わたしもまだまだ負けれません。
下り頂上〜9合目からは、団体の人が通り過ぎるのを待っていたりしたのもあるけど、足元が覚束ないのもあってはるかに下りの方が時間がかかった。この歳でこんなにすっころんでもいいのか?!というくらい浮石にすってんころりん。一度はハードル飛ぶみたいにすごいこけ方したし(;・∀・)。ゆっくり歩いているつもりでも石がゴロゴロしていて怖い。木に頭をぶつけたのも片手では足りません。間違いなくバカになってるね、アハハ。
というわけで下ったらちょうど1時。下りと登りの時間がさほど変わらなかったというのもおかしな話ですがまぁいいでしょう(;・∀・)。
キャンプ場前の温泉で汗を流そうと思って行ったら何と500円を拾う。うっそ、超ラッキー!ここの入浴料は500円。よって今日はロッカー代だけでよくなっちゃいました。いえい。
お風呂から出ると、登山証明書がもらえるよと教えてもらったのでまた引き返すことに。200円だけどちゃんと登山・下山届けを出さないと書いてはもらえないのだ。そこの管理人さんと千葉のライダーのお兄さんとしばし談話。
ふとしたことから昆布の話になって、何と管理人さんが昆布干しやっているから来るんだったらそこにおいで、言ってあげるから、ちゃんと10日なら10日、2週間なら2週間決めてやれば大丈夫だよ、と言ってくれる。うそ、1ヶ月とかじゃなくってもいいんだ?!人に話してみるもんですね。やった!
ホームセンターで買い物をして、キャンプ場に戻ったら大阪から来たというご夫婦がバンガローに飲みにおいでよ、と誘ってくれる。え、いいんですか?
初めて踏み入れたバンガローは本当に綺麗で、4人部屋だけど、2人で割れば2500円。めっちゃいいね。旦那さんが大の鳥好きでクマゲラ(キツツキみたいな鳥)のあかちゃんが巣から顔をだしている写真だとか、他にもエゾリス、エゾフクロウ、タンチョウなんかを撮っていて、それをパソコンに入れたのをスライドショーにして見せてくれた。
奥さんはその旦那さんがいるうちの何日かだけ毎年合流するらしいのだが、「こんなんばっかり撮ってほんまキチガイやわ」と大阪風に毒を吐きながらも「これめっちゃかわいいねんで〜」と教えてくれたり(笑)。ビールに始まり屋久島の焼酎までたくさん飲ませてもらう。こりゃうめぇ。
帰り際旦那さんが、プリントアウトした何枚かの写真と名刺をくださった。めっちゃ嬉しいです。本当にありがとうございました。
何ていい日なんだ。3時半に起きて、もう12時前、すごく一日が長かったよ。おやすみ。
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