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2005年9月2日(金) くもりのちはれ <145日目>
出発地:北海道のとある牧場(道東) 現在地:北海道のとある牧場(道東)  
走行距離:0km ★ 計:15709.8km 出費:0円


北海道・牧場生活5日目。



朝のいつものお手伝いを終えて子牛と少し遊ぼうかなと思っていたらだんなさんが呼んでくれた。

「ちょっとおもしろいことするから見に来る?」

えぇえぇ!そりゃ行きますとも。

だ:「特に外国産の飼料の中にはときどき小さな針金や釘が入っていることがあって、稀にだけど、エサと一緒にそういうものを食べて心臓にささっちゃって牛が死んじゃうことがあるんだよね。だから、磁石を牛に飲ませるんだけど、まだ飲ませてない牛がいたから今から飲ませるんだよ」

じ、磁石?

か:「それって、つまりここにいる牛を今解体したら、どの牛のお腹の中からも磁石が出てくるってことですか?

だ:「そうそう、そういうこと。処分されたりすると、ときどき磁石の中に錆びて小さくなった針金が出てくるみたいだよ。飲ませたかどうかわからなかったら、方位磁針をお腹のほうに持っていったら針が振れるからわかるんだよ」

か:「うんちと一緒にポコっと出たりしないんですか?」

だ:「それはないね。牛の胃は、大きくて深いからね。その深いところに磁石はあって、消化っていうのは胃の上の方でされるからうんこと一緒に出ちゃうことはないんだよね」

ということで入れられる

牛を固定し、口に管を入れたら、5cmほどの磁石を投入(だんなさんが左手に持っているやつ)。こんなふうにしても牛を守っているのだね。へぇーへぇーと思うことが毎日あって本当に楽しいと思うのだ^^。

「あとね、聴診器で牛のお腹の音をきいてみる?」

わーい。友達に看護婦の子がいるから、聴診器は触ったことはあったけど、牛のお腹の音をきけるなんて。ワクワク。

「しばらくするとね、ザァーって音がするから」

おとなしい牛の背後から忍び寄りちょっとお腹を拝借。

どっ・・・どっ・・・どっ・・・ざぁ〜・・・どっ・・・どっ・・・どっ・・・ざぁ〜

なんちゃって獣医

おぉ、すごい音だ!何だかスケルトンで胃の中が見えるような気がするほど、すぐそこに胃があるような気がするね!

そうこうしていると、本物の獣医さんがやってきました。

獣医さんのかわいいモウモウ車

今日は足の悪い牛を診てもらうそうです(獣医さんが真剣に治療をしていて、フラッシュを使うのはどうかと思ったので若干画像がぶれています)。

牛さんを固定します 後ろから見るとこんな感じ

とてもおとなしい牛だったので、暴れることも、鳴くこともなくただ、じっと耐えていました。血が出てたからかなり痛かったと思うんだけど。この獣医さんはとても若いのに、だんなさんも奥さんも、口を揃えて「いらないものなら取ってしまえ的なとてもシンプルな考え方だし、わかりやすく説明してくれるしとても腕がいい獣医さん」と言っていました。

先生がガリガリ爪を削ります 治療終了
包帯を巻かれました

そして解放された牛は、何事もなかったかのようにハムハムしながらグループの中へと帰って行きました。よかったよかった。

お家へ戻ろうとしたとき、Sさんがいて、つ、ついにお声がかかりました!

「じゃぁ、今日は涼しそうだし、1:30にしましょうか」

はい!

わたくし、人生初であります、「乗馬」。やったね。Sさんは今、3頭の馬を預かっています。

名前=プリシア(メス)
アラブという種類の馬
もうおばあちゃんだが、
かつては競技会で何度も賞をとった
優秀な馬
でも草を食べると歯を立て
オエオエする悪い癖がある(爆)
名前=ミネ(メス)
本名はミネカワという
渋い名前を持つ道産子
まだ5歳ちょっとだがすでに
3産済み
いろんなところで観光客を
乗せるお馬さんをしていたので
基本的に穏やかな馬
名前=マンデー(メス)
月曜日に生まれたので
マンデーという単純な名前を持つ馬
5月に生まれたばかりの子馬
アラブの父と道産子の母を持つ
ハーフである
ちなみに母親は隣のミネ
似ても似つかぬ親子である

で、わたしが本日乗せてもらえるのは道産子のミネ☆道産子は割と穏やかな気質の馬が多く、背丈もそんなに高くないので初心者にはもってこいの馬なのだそうだ。

1時半に馬たちのところに行くと、Sさんが馬具をミネに取り付けていた。プリシアやマンデーに比べるとやっぱり道産子のミネはずんぐりむっくりで見てくれはそんなに良くはない。

と思っていたけれど、馬具を付けたミネは何だか立派に見えてかっこいい。

「じゃぁ、今日はせっかくだし畑へ行って見ましょうか」

ミネもひさしぶりに人を乗せるそうで、始めにSさんが乗り、少々ミネを疲れさせるために走らせることになった。広々とした畑でミネもマンデーもうれしそうに走っている。軽やかに走り抜ける姿はとにかくかっこいい!

マンデー走る

Sさんに乗り方や姿勢、綱の持ち方を教えて頂き、本番です。どきどき。

よっこいしょ

おぉ!何だかすごい気持ちがいいんだけど。ミネ、今日は頼んだよ!

Sさんに長いロープを持ってもらい付き添ってもらってポクポク歩き出した。左の綱を引っ張ると左に曲がり、右の綱を引っ張ると右に曲がり、「うぉ〜」と声をかけるか両方の綱をひっぱるとミネは止まった。両カカトでコンコンとお腹を突付くとミネはまた歩き出した。

何て馬は賢いの(尊)。もう気分は女王様です(え?)。

それでもSさんに言わせると、賞を何度もとったプリシアの知能が「大学生」ならば、ミネは「小学生」程度なのだそうだ(爆)。ハーフのマンデーは成っても「中学生レベルかなぁ」とのこと。

それでもわたしはミネに大感動しました(;∀;)。初めて乗った馬が、サラブレッドとかではなく、道産子のミネだったことにわたしは感謝します。

しばらく歩いてから、ミネたちの囲われた場所に戻り、そこでSさんから離れて、一人でミネを操って(というのもオーバーだけど)乗らせてもらった。ほほぅ、た、たのしぃ!!

最後にはSさんがロープを持ち、Sさんを中心に円を描くようにミネが小走りに・・・Sさんが「早足!トットコトットコ」と早いリズムになるとミネはスピードを上げ、「ゆっくり!はい、はい、はい、はい」と遅いリズムになるとミネは少しスピードを落とした。す、すごい!ちゃんとSさんの言うことがわかっているんだね。

馬具を取ったミネは汗びっしょりだったのでSさんが水をかけたあげていた。ミネ、今日はありがとうね。本当に楽しかったよ。ミネをなでなでして、大好きな三つ葉をちぎってあげると、ボリボリととてもおいしそうに音を立てて食べた。

わたしは馬が、こうしていい音を立てて草を食べるところがとても好きだ。

ありがとう

今日、ミネに乗ったことをわたしは一生忘れないと思う。


画像の説明がのものはクリックすると大きくなるか、違う画像が出ます。


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