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2005年9月11日(日) はれ <154日目>
出発地:北海道小清水町
道の駅 はなやか(葉菜野花)小清水
現在地:北海道網走市 民宿ランプ
走行距離:100.4km ★ 計:16197.5km 出費:3870円
食費:570円 宿泊費:2800円
生活費:500円 


北海道・斜里岳に喜ぶ。



日記を朝書こうと思い、3時に目覚ましをセットしたものの夜中にやっぱり4時45分に変更。眠れない。最近、特に羅臼に滞在していたときはものすごくいい感じで眠れていたのに。こう見えても(?)意外と繊細で、ちょっとしたリクライニングの角度、座席の位置で全然眠れなかったりするのだ。うむ、微妙に何かがズレているのか?

そんな感じで起き、山登りの準備を。清里町にある清岳荘がある登山口から登るのだ(道道857号線だっけか?)。昨日その道の入り口は見つけておいたからばっちりだもんね。

と思ったら「工事中」。なにぃ!!

迂回路を見つけるが思わぬタイムロス。しかも清岳荘までのラスト7kmは砂利道。今まで通った砂利道の中では程度はかなり◎。だけど何せドライバーがへぼいのでいつも通りのんびりと。

6時半頃に登山口に到着。

「車中泊有料です」の文字が真っ先に目に入ってくる。いくらかは知らないけど、昨日来なくてよかった。暗くなってなかったら、登山口まで来ておこうと思ったからね。近くに水道はあるけれど、「この水は飲めません」。清岳荘のトイレを使わせてもらえるがいくらでもいいので協力金が必要。協力金は納得だけど、お金払って泊まるのに水が飲めないのはやっぱりイタイ。

登山届けに6:40発と書いて出発です。うーん、夜雨が降ったけど、いい天気になりそうな空だ。

清岳荘から木の根っこゾーンを歩き、砂利道を15分ほど歩くといよいよ登山口到着。入り口には3.6kmとだけ書いてありました。ルートとかの図は一切なし。こういう登山口もちょっとめずらしいなぁ。

行ってきます。 いきなりこんな川がお出迎え 沢渡り(序の口)

出発していきなりゴォゴォという川がお出迎えです。すごい。開始早々、足止めを食らってしまうわたし。いかんいかん。

そう思いながらもおもしろいものが次々と起こるこの登山道。

「羅臼おつかれさまでした。きっと斜里岳はもっとおもしろいですよ!」

そうメールをもらった。おもしろいこと?そう思っていたけど、本当におもしろいことが起こるだろうとすでに予感できた。

壁にくっついて移動
気を抜くと川にドボン
沢渡り
順番待ちです。
三重の滝

一つの川をあっちへこっちへと渡る。最初だけかと思っていたら、次から次へと現われる。ぉ〜っととっと!バランス感覚が大事ね。最初の分かれ道、二股まででも15回は沢渡りがあったと思います。

さらにそれだけでなく、立ちはだかる大きな岩、壁。忍者にでもなった気分(笑)。川を離れほっとするのも束の間。その間には、急な登りもあったりします。実に変化に富んだ登山道。ほどよい緊張感があって気が抜けません。

まず、こんな川沿いの道というのが初めてのわたし。みんな足カバーをしっかりしていてさすがです。わたしゃ、早々にグレーのズボンが変色しています。

しかし、こんなのは序の口でした。

次から次へと立ちはだかる滝。中でもわたしが一番びびったのが羽衣の滝。

羽衣の滝 滝の横の岩場をよじ登ります

滝の左側を鎖等なしでよじ登っていく。滝のしぶきで岩が濡れているのでしっかり足場を選んで登っていかないと危険!この登山道ではスニーカーはありえませんね(あ、濡れても大丈夫な?足袋の人は2人ぐらいいました。)。そして登ったらこの滝の上流を左から右へと渡らねばならないのです。

「こわいよぅ。」

団体の人たちがいたのですが「おさきにどうぞ」と先に行かせてくれたので周りには誰も居ない。もうちょっと上のほうが流れもゆるいところがありそうだし、つたっていく岩もあるし。そう思って右足を着いた。よし、左足、と思ったとき、バランスが崩れた。

やばい!

今まで必死に守ってきた両足が水に浸かる。しかも意外と流れが速い。身動きが取れない。このまま向こう側に渡りたいのだが、予想よりもつかもうとした岩がつるつるだ。つかんでみようか、いや、もしつかめなかったら危険だ。ゆっくりと流れに足をとられないように戻った。ここは滝の上流。もう少しバランスを崩していたらそのまま転げ落ちていたと思う。

あぁ怖かったよぅ(泣)。

もう少し下から渡ろうか。そう思ったときにちょうど4人グループのおじさんたちが来て、渡るところをしっかり観察させてもらう。フムフムなるほど。普通の登りならば年齢の分?わたしのほうが若干早かったりするのだが、こういうのはやっぱり経験がものを言う。おじさんたちには迷いがなかった。迷いのあるわたしは沢渡りだとおじさんたちよりずっと遅い。

万丈の滝 7合目です
鎖も何箇所か登場します

何だか不思議なもので、一回靴が濡れてしまうと思い切りがよくなった。靴が濡れないように濡れないようにと歩いてきたけど、ステッキで深さを確認したら意外とジャブジャブ行った方が早いし、変にバランスを考えることなく自然に歩けるのかなと思ったりした。

「童心に返る」

そんな山なのかなと途中から思い始めた。濡れたら乾かせばいいし、汚れたら洗えばいいのだ。子供の頃はそんなことすら考えてなかったと思う。だからどんな遊びも楽しかった。「濡れないように」「汚れないように」いつからそんなことを思うようになったんだろう。

軍手を装着し、鎖場をよじ登っていく。他にも鎖のない危ないところは、飛び出た岩や、草や、木の根っこをつかんで登っていく。何か探検ごっこみたいだね。怖かったりもするけど、ワクワクドキドキ。自然の楽しさが凝縮されている感じ。


つかの間の休息

しばし、景色にいやされ、いよいよ8合目付近の。えっと何ていう滝だっけ?(まぁまぁ真剣・必死だったので画像撮ってない)。に立ち向かい、どうにかこうにか滝地獄を脱出。おめでとう!

そう思ったら今度はしばらく歩くとゴロゴロと石ゾーンが。しかも割と急なのでマゾなあなたにはぴったりです(謎)。苦しいのは苦しいけど、血の味を感じながらぜぇぜぇと歩くと、後でその苦しみから解放されたときの悦びがあったりするのですね。だから、キツイ〜ゆっくり歩いたらいいやん、と思いながらもこういう明らかにキツイのを見ると力を振り絞って登りたくなる衝動に駆られるときがあります(危)。

渋滞です。 何かすごそうでしょ?

でも、今日は団体様がいらっしゃったのでおとなしくついていきます、てへっ。そのわたしの前に居たご夫婦は北海道の方で団体さんのグループではないことが判明。みんな来た道のあの滝の横の急なところを下って帰るのか?やっぱり二股で分かれている熊見峠のほうを迂回して帰るのか、が気になっていたので訊いてみたら、おじさんたちは「慣れた人なら別だけど、下りは滑って危険すぎるから熊見峠から帰るよ」と教えてくださり、ほっと一安心。

あの沢渡りを下るなら、3回以上滑り落ちる自信があります、わたし。

わたしも峠から帰ろうっと。

ゆっくりゆっくり進む列にしたがって歩くと馬の背?に到着(看板はなかったけど多分)。広くスペースがあったので腰を下ろしてちょっぴりおやつを食べた。ガイドさんの話をダンボにして聞いてみると、今日は天気がよく摩周湖が見えるそうだ。

「あの、真ん中に島がぽつんと浮いてますよね?」

ああ、本当だ。わたしにも見えるよ!(パチリと写真を撮ったけれど、残念ながら写っていませんでした)

馬の背より
あとちょっとで頂上!
(奥が斜里岳)

さぁ、後チョット。行くかぁ!

ゴツゴツしたところを登っていった。大分、下りの人も増えてきて一気には登れなかったけど、力を振り絞って進んだ。駐車場を出発して約3時間。おぉ!今日って本当にいい天気。

斜里岳の頂上はひさしぶりかもというくらいに、広く拓けていて、風もほとんどなく自分だけの場所をつくって座り込んだ。最高の気分。

清里町かな? 山が超キレイ。

おめでとう。斜里岳頂上 靴もズボンも軍手も
ビショビショ。
おつかれさま!

ゆで卵とソーセージだけ食べて、30分ほどゆっくりして降りようと思ったときに声をかけられた。

「あれ、もう下りちゃうんですか?」

あ、下のほうで会ったおじさんだ!すぐ団体さんを挟んで分かれちゃったんだけど。帯広の方だったのだけど、まずは帰りのルートの話から。そして何だか話が弾む弾むで「じゃぁ、羅臼にも登ったりしたの?」。
今その話題は!と思いつつ、こんな感じだったんです、というと、おじさんも羅臼側から登ろうと思ったのだけど登山者名簿のあまりの人数の少なさに、ウトロ側から登ったのだそうだ。

「そうだよ、あれ、羅臼から登るって言っても意外とみんなへぇ登るんだーくらいで何も教えてくれないし、ちょっと足場が悪いくらい程度でしか書いてないしわからないよね。でも、あっちから登ったんだ。すごいね!熊対策は?え?木を叩きながら?雪渓あったでしょ?クククっ。」

何だかおじさんと話していたらおかしくて仕方なくって、結果オーライ!しかも思いもかけず笑いまで取れてよかったんじゃん?とか思ったり。しかし人間とはとても都合のいい動物であります。あんなに辛かったことがもう今日にはおもしろ話に変わっているんだから(笑)。

おじさんにお先に、と告げ、下ることにした。

8合目と9合目の間に、迂回路の熊見峠への入り口がある(上二股、というところ)。遠回りなので滝コースよりは20分くらい?長めで、峠なので少しだけ登りもある。しかし、安全に帰れると思ったらそのくらいの長さは気になりません。

上二股入り口
看板が割れちゃってます
入り口を少し入った影に
この看板があります

しかしこの道はこの道でとてもいい感じで◎。

礼文の桃岩を彷彿させる緑! 斜里岳もきれいです 熊見峠

あちこちでなぜかモグラが死んでおり、そこを通るたびにブォ〜ンという大量のハエが飛び交うのを除いては熊見峠までは特に景色もよく山を見渡せながら歩けました。写真撮ってばっかりでちっとも進まず。

熊見峠からは急な坂道をひたすら下っていくので、この峠コースで斜里岳を目指す場合もやっぱり結構キツイかも。やっぱりオススメは登り:滝コース、下り:熊見岳コースかな。そして二股へと戻り、登りの滝ルートと合流です。

新道=熊見峠ルート ただいま!

また来たときと同じ川を右へ左へと渡っていくのですがもうすぐゴール。濡れようがどうしようがおかまいなしにジャブジャブ。これが徐々に快感になっていくんですね^^。最初はどきどきしながら越えていた岩も帰りとなればもうへっちゃら。しばらく歩くと、パッと明るいところへと飛び出しました。

やった。

何だかものすごい充実感でした、今までとは何か違う感じ。1:30過ぎに駐車場に到着。登山届けに下山時刻を書き込んだ。早い人いたなぁ。出発が7:40で、到着が11:30という人も居ました(驚)。本当にトレーニングみたいな感じだったもんなぁ。

全身を使っての山登りなので、女性には距離の割りにちょっときついと感じるかもしれません。でも多分少しでも山登りをしたことある人だったら「めっちゃたのしい。」っていうんじゃないかなぁと思ったりしました。

そして山を下ると意味がわからないのですが無性にネットサーフィンがしたくなりました。ここ最近眠れてない。お布団でも寝たい。びしょびしょ泥だらけになったものを洗濯したい。そして某旅人さんに教えてもらい、この旅始まって以来初めて民宿に泊まることにしました。

贅沢!!(でも2800円)

最近エンゲル係数高いので、節約に努めます。あ、北海道脱出したらね(多分)。

近くの小清水原生花園に行ったもののハマナスとチシマフウロが咲いている程度。そうなりゃ、オホーツク海しかないでしょ!(謎)

いい感じで季節外れのビーチサンダルで花園に来ていたわたしはそのまま海へゴー!人が多かったから入らなかったけど、誰も居なかったら海に飛び込んでたかもね(青春)。

オホーツク海は波が高くて、波打ち際に居たわたしの足をもさらっていきそうだった。

秋だけど海。気持ちええね。

原生花園と斜里岳 海と山

民宿にあったコインランドリーでひさしぶりにブンブン。洗うのは300円だけど、乾燥は60分で100円。激安!洗濯物はフカフカ。乾燥機って本領発揮すればすごいんだね。

あぁ、お布団もフカフカ。今日は安眠できそう。


画像の説明がのものはクリックすると大きくなるか、違う画像が出ます。

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