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バンバンと行く、日本旅 2013
25日目:2013年8月26日(月) 晴れ
バンバン走行距離:246.4km  費用:5,728円
(うち、宿泊費2,000円、ガソリン代1,412円)
●出発地●岩手県盛岡市ビジネスホテル ●宿泊地●岩手県久慈市健康ランド

●ルート概要●

R46→R106→R45→岩手県道41→?林道→県道41→R45



7時前に起床。

朝食バイキング付きなのでレストランへ行くと、種類の多いことにテンションあがる二人。ビッグダディを見て、ダディが作っていたひっつみ(こちらの郷土料理)を食べたくて仕方なかったんだけど、それも叶ってよかった。ひっつみはおかわりしちゃったもんね。自分でも作れるかな?

本来、従業員さんの駐輪場だと思う。 泊まった宿は、盛岡市のビジネスホテル・エース盛岡さん(今回宿泊した施設の詳細・駐輪場/屋根の有無はまとめる予定)、お世話になりました(・∀・)。

今日は各自、太平洋側の宮古市まで移動。道の駅・みやこで待ち合わせということで出発。100kmちょっとかな?

今日はいい天気。端っこ日和やわ(・∀・)。
宮古へゴー(・∀・) 気持ちいいわ(*´艸`*)
ひゃっほぉ!

こんなことを言ってはいけないけど、R106はどこでも停止可能な高速道路みたいなもんやね(笑)。

で、気づくわけなのです。
バイクと車がよーいどん、したら大体バイクの方が速いんやろうけど、間違いなくばんちゃんを待たせる展開になるな、と(´д`)。気持ちいい道なのに、おにぎりがあったら停まって撮るし、景色が綺麗なら停まって撮るし、なもんで。

そして残念なことに、道の駅・みやこが6km手前まで案内が出ていたのに、ぱたりと案内がなくなり・・・近くまで行って完全に見失ってしまったというね。走っていると反対方向に進んでしまったようなので、ばんちゃんに電話をかけてトドヶ崎での現地集合に変更依頼をかけたんだけど・・・

たまたま飲み物を買いに寄ったドラッグストアで地元のおじちゃんに話しかけられ。
「これから友達と待ち合せをしているんです」と伝えながらも、被災地の現状を伝えてくれるおじちゃんの話を聞きたくて。ばんちゃんごめん、と心の中で思いながらも、通りすがりの旅人に、いろんなことを教えてくれて遠慮しないで何でも見て行ってと言ってくれたおじちゃんに感謝でした。

この、何気に寄ったピカピカのドラッグストアも、震災の数日前(前日だったかな?)にオープンして、流されて、再び造られたそうで。そうなの。周りを見渡すと、綺麗な街に見えるの。え、本当にここが?と思ってしまうほどにね。

おじちゃんに感謝(・∀・)
おじちゃんに感謝(・∀・) 空も海も青い(・∀・)
ブイブイ〜!
捉えたぞ(`・ω・´)

おじちゃんと別れてからは、トドヶ埼に向けて適度に爆走(*´艸`*)。やっと姉吉・ドドヶ崎を捉えたよ。

入り口付近まで移動し、ばんちゃんに謝ってから、2人で本州最東端へ向けて出発。既に12時半。本州最東端は、この入り口から約4キロ歩く必要があるので、さすがのばんちゃんも作業靴(笑)にチェンジ。

バンバン、ばんちゃん号、お留守番頼んだよ。

青い海だ・・・
入り口 行ってきまーす(・∀・)

少し歩くと、もうこんなに見下ろすように。

「あんなところに引っかかってるだに(゚Д゚)」

ばんちゃんの視線の先には、ありえない高さに浮きと網が引っかかっている。

おおっと!!
これって・・・
間違いなく・・・

津波なんだよね。津波がここまで運んだんだよね。

こんなところまで・・・
こんなに美しい海なのに

こんなに、綺麗な海が荒れ狂うなんて、信じられなくて。こうして残されたものを確認しながら、テレビの中で見た映像を結び付けようとするけど、自分自身が痛い・辛い思いをして体験していないから、うそっ!まじで?(゚Д゚)とは思うんだけど、なかなか結び付かなくて、魚の小骨が喉にひっかかっているようなもどかしさをずっと感じていた。

(実際そうであることに、後のおばあちゃんと出会って確認するのだ)

自分のことを薄情な人間だと思うし、悲しいけれどそれが本音。自分が物わかりが悪い人間だと、普段はさほど思わないんだけど、今回ばかりは・・・だ。もうどうしようもない。

魚つき、って何?! ばんちゃんがゆく

写真を撮りつつ、ばんちゃんとワーワーしゃべりながらゆっくり歩くこと1時間。
1日がかりになったけど、今日は見事な夏晴れ。こんな日に、トドヶ崎に来てよかった。

「今回一緒に行かんと、なかなか一人じゃいかんよ」と、ここもばんちゃんにゴリ押しした場所。

本州最東端・トドヶ崎に到着(・∀・)
キター(・∀・)
灯台。スラリ。
水洗トイレあったよ〜! 旅人ノートあり
灯台とパチリ
本州最東端だよ。
ばんちゃんと来れてよかった(・∀・)
本当に海は青い・・
また来るね。

静かで、青くてどこまでも広い海。よくぞ震災で灯台も倒れなかったもんだ。また、この大好きな端っこに来ることができてよかった。必ずまた、ここに戻って来れますように。変わらない景色でありますように。

このトドヶ崎のある姉吉地区。明治・昭和と2度の大津波で壊滅的な被害を受けている地区で、昭和の大津波の後(1933年)、こんな碑が建てられたのだ。

読めないけど。 これには・・・

「此処(ここ)より下に家を建てるな」


先人たちの教えを守った地区の人たちは守れられたのだ。それより下にあった港や、キャンプ場はなくなっちゃったけどね(´д`)。 その碑から約50mほど道路を下ったところに、3・11の大震災の碑を発見。人間は学んで生きていけるものね。

危ない危ない・・・

一旦宮古に戻り、ご飯でも一緒に食べようかとするけど、どこもかしこもお店終了が早い。楽しみにしていた岩手のウニは食べれないのか、と作戦会議をしていたところ、「そんなに遠くから来たのなら、食べていきなさい(・∀・)」と閉めていたお店を開けてくれた。(どうやらその建物の社長さんらしい)

ええっ、いいんですか?!

もう食べれないと思っていたのに、本当ありがたい。ナンバーが神戸でよかったよ。ちなみにばんちゃんは初ウニ(おいしいはずだけど、ちょっと心配(笑))。

1800円にしてくれたよ(*´艸`*)
よだれでるやん(*´艸`*)

用意してくれたお母さんも、帰り支度していたのにね。また戻ってきてくれてね。気持ちよく対応してくれてありがたかったなぁ。この建物の2階まで津波が来たことなどなど。社長さんはいろんな話をしてくれた。

ご飯を食べるところは、ご飯を食べるところだけじゃないってわたしはよく書くけど、今日も本当に思ったよ。みんなのやさしさと宮古のうにの味、心に沁みたわぁ。この旅でも印象に残る一食になるのは間違いないと思う。ごちそうさまでした(・∀・)。

それじゃ、ばんちゃんそろそろ時間やね ばんちゃん撮影、ありがとね〜!

ばんちゃんは、3日の休みで愛知から東北まで来たので(笑)、もう今からぼちぼち南下開始。わたしは北海道へ向けて北上開始。ばんちゃん、今回も本当に楽しかった。またね。

さて、17時。どこに泊まろうかな?
適当なキャンプ場もあるし、道の駅・たろうは畳の休憩場もあるし・・・と考えながらガソリンスタンドへ寄ると、スタンドのスタッフの方みんなに囲まれ(笑)。

「神戸から?」「バリィさんだ」「バンバンだし!(古いバンバンを知っていたらしい)」「今日はどこに泊まるの?」

「どこかキャンプ場に行こうかと思っているんですけど」

と言うと、道の駅はよくわからない人が来ることもあるからどうかな。という話から、なぜだかこんなものが登場。

ありがたい!

訊けば、今年はやたら熊が出るらしく(民家にも現れたそう)、キャンプ場は危ないというのと、バイクの人はどこでも野宿する人が多いから心配、ということで、ガソリンスタンドのお母さんが、久慈(あと40キロくらい?北上したところにある岩手の町)の健康ランドのHPを印刷したもの。

「朝まで居ても、2,000円だから」って。

「もしかして、お母さんはこれを印刷して、ホッチキスで止めて、バイクの人とか、今日の宿に困っている人に渡して提案してくれているんですか?」

と訊いたら、笑って黙ってうなずいた。

久慈はね、全然行くつもりじゃなかったけどね。払えるものなら、当然行くよね。ただの通りすがりの見知らぬ旅人のことを心配してくれてさ・・・なんてありがたい。若いころは、見知らぬ人に心配されるのが鬱陶しかったり、反発したくなったりもした。でも、今は受け入れて、感謝できるようになった。わたしも大人になったのかな。やっと(笑)。

出るときも、スタッフの人みんなが手を振ってくれて。東北、心があったまりすぎるわ。

少し暗くはなったけど、無事に本日の宿へ到着。館内に持って入る荷物を用意していると、いつの間にか側にいたおばあちゃん。

すっかり暗くなった空を見上げながら、「明日晴れますかね(・∀・)」と声をかけた。

まさかね、そんな一言が、そんな話になるなんてね。

おばあちゃんの話はブログに書いたから、もう2回もは書けないけど、「息子も娘も死んでしまった」とおばあちゃんが言ったとき、バカなわたしは、それでも気が付いていなかったの。「病気で死んだのかな」って思ってた。

話を黙って聞いていて、しばらくしてやっと気が付いたの。病気なんかじゃないよ、震災だよ、って。あれだけたくさんの命がなくなったのだから、居ても不思議ではないんだけど、まさかね、テレビで見た震災で肉親を亡くした方がわたしの目の前にいるなんて思いもしなかったの。

おばあちゃんの話をききながら、何回自分のことをバカだと思ったかわからない。

お風呂に入った後、せっかく女子部屋を独占できてゆっくり眠れるかと思ったのに、涙が出すぎたのか、やたら神経が高ぶって一睡もできなかった。


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